三人の建築家と尼ヶ坂は「生物多様性」と向き合う。
なぜ「生物多様性」を考えるのか?
我々人間は、生態系を壊した罪深い生きものだからだ。
生きとし生ける全ての生命への償と
未来の子供たちと地球のために。
私が今何ができるのか?
あなたは今何をすべきなのか?
日常生活の中にある「生物多様性」を見つける。
そして、それをデザインする。
「生物多様性」と真正面から向き合うことで
いかにデザイナーが無力であるかを知り、
21世紀のデザインがどうあるべきか?
なごやのクリエイターがどうあるべきか?
確かな答えがあるわけではない。
大切ことは、はじめることではないだろうか。
尼ヶ坂
クリエイティブ・ディレクター
今枝 和仁
Exhibition contents
Exhibition 1
テーマ:「生物多様性 in 尼ヶ坂」
生物多様性は難しい概念です。でも、身近でできることもあるはずです。生物多様性の重要性を感じるために、植物だけを使って、自らこのまちをリ・デザインしてみませんか。きっと、まちや建築といった人工物と自然環境の関係を見直すことができるでしょう。
恒川和久 Kazuhisa Tsunekawa
名古屋大学講師。1964年名古屋生まれ。1988年名古屋大学卒業。東京での建設会社勤務をて、1996年より名古屋大学助手。2002年より現職。専門は、建築設計、オフィスや大学施設の建築計画・ファシリティマネジメント。2005年名古屋大学IB電子情報館等の設計にて、愛知まちなみ建築賞、名古屋市都市景観賞受賞。名古屋建築会議(NAC)の主要メンバーとして、名古屋の都市・建築デザインに関わるさまざまな提案を行っている。
Exhibition 2
テーマ:greーco(グリ・コ)in 堀川
名古屋の未来と生物多様性を考えたとき、まず堀川が市民にとって気持ちよく生活で
きる空間の創造が求められる。堀川沿いには無数の空地と駐車場が存在している。ま
た店舗と企業の看板(サイン)が無秩序に設置されている。
堀川沿いに点在する空地(駐車場)を有効活用し、川沿いに氾濫するサインと不足している緑を融合させた環境演出を提案する。
※gre−co(グリ・コ):
green(グリーン)とeco(エコ)からなる造語。環境に配慮することを現し、また「グリコ」といえば道頓堀のネオンサインであり、言葉の響きが潜在的にサインを現す。
伊藤孝紀 ITO TAKANORI
1974年三重県生まれ。94年TYPE A/B設立。名城大学建築学科卒業。名古屋市立大学芸術工学研究科博士後期課程満了。 2007年より名古屋工業大学大学院 准教授・博士(芸術工学)。家具からインテリア、建築などを一つの環境と捉えデザインの研究と実践を行っている。行政・企業・市民を巻き込んで、インスタレーションや商環境の演出などマチづくりも活発に活動中。
主な受賞に04年 JCD デザイン賞奨励賞。05年Residential Lighting Awards 審査員特別賞。06年 SDAデザイン賞地区デザイン賞。07年 JCD デザイン賞銀賞など
Exhibition 3
テーマ:『ナゴヤ発の生物多様性/文物多様性 とびっきりの心技体』
ワタシは何?
住みやすいけど…
心体感覚の復興
心体感覚からの心技体
北川啓介 Kitagawa Keisuke
名古屋工業大学大学院工学研究科准教授(建築設計・都市計画)
北川建築研究所共同代表
名古屋市北区の城下町の生まれ。1996年、名古屋工業大学卒業。2001年、同大学大学院博士課程を修了、博士(工学)。同年、同大学工学部助手。講師、助教授を経て、2007年より現職。名古屋市内の和菓子屋に生まれ、幼少期から遊郭や料亭への配達についていくも、次第に名古屋の伝統的な魅力ある建物が巨大な白い商業施設に取り込まれていくことに危機感を感じ、和菓子業に進む前に名古屋の建築と都市が楽しく活気を取り戻すことが大事と意を決し、18歳のときに建築の道へ。学生時代より、大学の講義・演習の合間をみては、東京、ニューヨーク、ベルリンといった国内外の建築設計事務所へ無茶修行し、大学に着任した今も、海外の建築家と協働して、これから
の建築と都市を追求している。
これまで、国内外の建築家、アーティスト、職人と共同でプロジェクトを実践してきた。2007年には、第一回リスボン建築トリエンナーレへ日本代表チームとして参加し、ヨーロッパ各国のみならず、日本での帰国展でも好評を得た。北川建築研究所として、建築の設計、アートフェスティバルでの招待展示も多い。
大学での研究とは別で、マンガ喫茶、出会いカフェ、コスプレ、ナゴヤメシなどの突撃取材を趣味とし、多数の書籍や雑誌にそのドキュメンタリーの様子が収録されている。
名古屋を愛して34年。